「インディアン」の呼称は蔑称か
近年、「インディアン」という呼称について、白人側から「差別を助長するのではないか」という理由から、「ネイティブ・アメリカン」(Native American)と呼び替える動きが進んでいるが、この単語は本来、アメリカ合衆国内の先住民全般、つまり「インディアン」、「サモア人」、「ミクロネシア人」、「アレウト」、「ハワイ人」、「エスキモー」全てを表す「総称」であり、固有の民族名ではない。
インディアン管理局(BIA)の公式な質疑応答テキストには、こう記してある。「この"ネイティブ・アメリカン"という用語は、1960年代にBIAが、そのサービス対象グループに対して使用し始めたもので、当初はインディアンとアラスカ先住民(アラスカ・インディアン、エスキモー、アレウト)を指していた。のちに、連邦の枠組みに入るハワイ先住民と太平洋諸島民などを含むようになった。しかし、それはかなりのインディアン・グループから不評を得ている。優先使用語は"アメリカ・インディアン"である。」
そもそも「ネイティブ・アメリカン」という呼称は、BIAの意向を受けて「インド人(Indian)」を祖先に持つ「インド系アメリカ人(Indian American)」と区別するために、人類学者が作った造語である。この「ネイティブ・アメリカン」とする場合の表記は、一般的には先頭に「大文字の「N」が使用される。
一方、歴史的呼称としての「インディアン」に誇りをもつインディアン達はこれをあくまで自称とし、またその名称を替えること自体が差別的であるとしている。これはそもそも「アメリカ」という地名そのものが後付であり、別の視点では、白人が過去の不正行為から目を背けて「インディアン」という言葉を削除し、「先住民」という大雑把なくくりの中に埋没させ、問題を平均化し薄めさせようとしているのではないかという考えからである。(→アメリカ州の先住民族の呼称論争)
その代表的な一人である、ラコタ・スー族の活動家、ラッセル・ミーンズ(Russell Means)は、「アメリカインディアンへの承諾なしに連邦政府がこの"ネイティブ・アメリカン"という用語を使用している」として批判しており、1996年に行った声明、及び1998年に著したエッセイなどで、ミーンズは「I Am An American Indian, Not a Native American!(私は"アメリカ・インディアン"だ。"ネイティブ・アメリカン"ではない!)」とし、さらに「 I abhor the term 'Native American'.(私は"ネイティブ・アメリカン"という用語を憎悪している)」と続けている。
ミーンズは「"ネイティブ・アメリカン"とは、合衆国すべての囚人としての先住民について説明するのに使用される、一般的な政府用語であり、これらは、アメリカのサモア人と、ミクロネシア人と、アレウトと、先住ハワイ人と、誤って呼ばれたエスキモーであり、そのエスキモーとは、実際にはユピクとイヌピアトであって、そしてもちろん、(我々)インディアンのことなのです。」と述べている。
また、「私は、"アメリカ・インディアン"という名称の起源を知っているので、 この用語のほうを好みます。加えられた区別として、"アメリカ・インディアン"は、"アメリカ合衆国の民族"以前からいる、唯一の民族グループなのです。」とし、「最終的に、私はだれであるかを、どんな政府にも定義させるつもりはありません。 加えて、西半球で生まれる人はだれでも"インディアン"なのです。」と述べている。
さらにミーンズはこの「アメリカインディアン→ネイティブアメリカン」への言い換えが白人主体で進められている現状について、「我々がアメリカインディアンの歴史を教えようとしても、白人達が教育現場で我々の子供達に、"アメリカインディアンは20世紀中に絶滅してもう存在していない"と教え込んでいる。」と批判している。
『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
色々な考え方があるんですね。勉強になりました。
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